シュタイナー教育で目指すもの その10


今回は、新年を迎えたこともあり、シュタイナー教育の基本に立ち返って
シュタイナー教育において何を目指しているのかということを考えてみたいと思います。

シュタイナーは、いつの時代にもその時の時代の目指す人間像があるのだといいます。
今の時代に求められているものは、

自分が何かを行おうとするとき、世間的な思惑や外的な決まりを第一に考慮するのではなく、自分が正しいと信じることを自分の責任で行おうとする。外からの規制ではなく自分個人の判断によって行動し、その行為には責任を負うというあり方が今の時代に生きる人間に求められている。

といいます。

これはまさに自由な人間への教育でありシュタイナー教育の目的にもなっています。
自由とは与えられるものではなく、一人ひとりが自ら成長させることによって獲得していくものだと。

私たちは歴史的に見ても自由を求めて歩んできました。
かつては封建時代があり、今は民主主義の時代を獲得してきました。
昨年、「アナと雪の女王」の映画が大ヒットしたのも、
「ありのままの自分」を求め自由になりたいという主人公に共感したからではないでしょうか。

シュタイナーのいう自由とは、自分の好き勝手に何でもできることではなく、
言うまでもなく倫理的であり行動には責任を負う義務が伴います。

シュタイナーは、人生の構成要素は、思考と感情と意志であるといいます。
人間の人生というのは自分が感じたこと、自分が行動したこと、自分が考えたことの
総体であると。
体験とは、感じたこと、考えたこと、意志したことから構成されているのだと。
シュタイナーはこの3つをどのように育て、今の時代にふさわしい自由な人間を目指すのかを
教育を通して実現しようとしました。

思考、感情、意志。この3つを育てるのには時期があります。
0歳~7歳までに意志を、7歳~14歳では感情を、
そして14歳~21歳までが思考を育てるのだといいます。
決して順番を間違えてはいけないとも言われます。
子どもの成長には、その年齢に育てるべきものがあるのです。
それをおろそかにすれば、後々取り返しのつかないことにもなりかねないと。

今の教育は、思考ばかりが優先されて、感情を育てることも、
ましてや意志などを育てることをなおざりにされているように思います。

幼児期には、早期教育に熱が入り学校に行くまでに色んなことを記憶するように
強いられます。
小学生になると、テストの成績ばかりが気にかかり塾などに駆り立てられます。
思春期になれば、どこの学校に入学できるかが勉強の目的になります。

これが教育の目的ではあまりに悲しすぎます。

世間がそうなのだからと他の子と比べて焦ってしまったり、
不安になったりする親御さんの気持ちもよくわかります。

でも自信を持って欲しいのです。
子どもたちの人生は老年まで続くのです。
子どもたちが、どんな人生を歩んでいくのかと思いをはせることができれば
目先のことにとらわれずに子育てできるのではないでしょうか。

人生とは、感じたこと、考えたこと、意志したことの総体なのですから、
この3つがバランスよく育つことが必要です。

思考(本当の思考ではなく暗記に傾いた思考)ばかりに偏ってしまったら、
色んなことに感動することもなく、やりたいことも実行できない人生を歩むことになるのです。


樋口早知子

by kusunokien | 2015-01-22 14:28 | くすのき園つうしんより

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