昔話を習うということ


くすのき園では、クリスマスからお正月にかけて、
「かさじぞう」「小人とくつや」「星の銀貨」の3つの人形劇をしています。

このお話、私にとっても考えさせられるお話です。

「かさじぞう」のお話は、大晦日、食べるものがなく、おじいさんは笠を売りに町に出かけていきます。が、笠は一つも売れません。
帰る途中、おじいさんはおじそうさまに笠を全部かぶせて帰るのです。
その夜、おじぞうさまが宝物を持ってお礼に来てくれるというお話です。

そのお話の中で、帰ってきたおじいさんにおばあさんは、
「おじいさん、それはよいことをしましたね。」と快く受け入れるのです。
もし私がおばあさんの立場だったら、「明日からの生活、いったいどうするのよ。」と
金切り声を上げていたことでしょう。


「小人とくつや」のお話は、貧乏なくつやさん。
とうとう一足分の皮しかなくなってしまいます。
次の朝、起きてみると靴が出来上がっています。
夜中に小人がきて靴を仕上げてくれていたのです。
その靴は飛ぶように売れて、靴屋さんは暮らし向きもよくなっていったというお話です。

そのお話の中で、一足分の皮しかなくなったとき、
「靴屋さんは気立てもよく、おやすみを言うとすんなり眠った。」とあります。
普通ならこんな状態になったら、「明日から、どうやって暮らしていけばいいの。」と悩み、
すんなり眠ることなどできません。


「星の銀貨」のお話は、身寄りもなく、持っているものは一切れのパンと着ている服だけ
になった女の子。
野原を歩いていると、次から次へと女の子の持っているものをほしいと子どもが現れます。
とうとう何にもなくなり裸で森の中に立っていると、天から星が降ってきて、
それがみんな銀貨だったというお話です。

着ている服までも全部あげるなんてとてもできそうにないお話です。


でも、このような生き方ができれば、天からの助けがやってきて、
やがては幸せが訪れるのだとこれらのお話は語りかけてくれます。

シュタイナーは、子どもたちはお話の内容は忘れてしまうかもしれないけれど、
習ったことは性格の構造の中に、魂の力、生き方、快と苦への対処のしかたとして残るのだといいます。

お話は、性格を作っていく力にもなるのですね。

子どもたちにもこの先、様々な出来ごとが訪れます。
そのときに、どのように生きればいいのか、
聴いたお話がきっと答えを見出してくれることでしょう。


樋口早知子

by kusunokien | 2014-01-09 21:29 | くすのき園つうしんより

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