幼児期の課題 その5 「感謝することを学ぶ ~祈るということ~」

感謝の念から、
人を愛する能力、義務を感じる能力を成長させることができるとシュタイナーは言います。

幼児期が、感謝することを学ぶ大切な時期であると。



今の時代は批判の時代だといわれます。
何か問題が起こると、相手が悪い、社会が悪い、世の中が悪いと批判の声が上がります。

自分自身のことを振り返ってみても、
問題が起こったとき、自分に返そうとせず他人のせいにしていたことを思い出します。
確かに、他人を批判しているときには、この状況を変えていこうという義務感も、
人を愛する気持ちも湧いてきません。
心の成長もありませんでした。愚痴と不平不満に満ちていました。

幼い子どもたちは、自分の周りの物も人も出来事も、すべて良いものと受け止めます。
そんな子どもたちだからこそ感謝の気持ちが育つのでしょう。

感謝の気持ちを表すものとして「祈り」があります。
おおいなる存在(神様)への感謝です。

シュタイナーは
「子どもの頃に本当に祈ったことのない人は、老人となってから他の人に祝福を与えることができない。子どものころに正しく祈ったことのある人だけが年をとった後に、正しく、力強く祝福を与えられるようになる。」と述べています。

  どんなものの中にも
  お父さんやお母さん
  すべての愛する人の中にも
  動物や草花、木や石の中にも
  神様の姿が見えます。
  だから怖いものは何もありません。
  私の周りには愛だけがあるのです。

と毎日祈る子どもたち。
今は意味がわからなくても、大人になって大きな打撃を受けたとき、お祈りの言葉が甦り、
自分の周りが愛に包まれていたことにきっと気がついてくれることでしょう。
私自身も、子どもたちと共に祈るなかで感謝の気持ちをいつも思い出し、
今からでも(もう老人に足を突っ込んでいますが)、育んでいくことができればと思っています。


樋口早知子
by kusunokien | 2011-01-19 12:07 | くすのき園つうしんより